基礎生物学研究所・超階層生物学センター・「トランスオミクス解析室」は、遺伝子・タンパク質等分析機器の管理・運用および、共同利用研究の推進を担当している。

超遠心機やリアルタイム PCR のような汎用機器から、次世代 DNA シーケンサーや質量分析装置のような先端機器に至るまで、約 70 種類 100 台にのぼる機器を備え、専門の職員が技術サポートを行っている。これらの機器の多くは、大学共同利用機関として、多くは所外の研究者にも開放している。

機器の管理のみならず、共同利用研究、セミナー・トレーニングコースを通した当該分野の情報共有と人的ネットワークの構築も推進している。近年は、機能ゲノミクスに力を入れており、次世代 DNA シーケンシンングを中心とした共同利用研究やトレーニングコースを行っている。

トランスオミクス解析室運営と利用の原則は、「トランスオミクス解析室利用覚え書き」（このページ後述）で定められていますので必ずお読み下さい。

なお、このページの内容は所内の方向けです。

所外の大学・研究機関の研究者の方はこちらをお読み下さい。

１．利用の手続き

トランスオミクス解析室を利用する方は、毎年度はじめに「使用申請書」を部門施設ごとにまとめてご提出下さい。

なお、年度途中での追加・変更などは、随時受け付けます。

２．利用の方法

【使用方法】

初めての機器を利用する際はトランスオミクス解析室まで連絡の上、機器の使用方法や注意事項について指示を受けて下さい。

【予約制】

機器の使用は予約を優先します。使用の際はあらかじめ予約して下さい。予約状況は各装置の前の「予約表」に掲示されています。予約が重複する場合などはトランスオミクス解析室で調整します。

【使用記録】

機器使用の際は「使用ノート」に必要事項を必ずご記入下さい。

また、機器の故障などは、状況を詳しく記録した上でトランスオミクス解析室までご連絡下さい。

３．機器利用の経費

利用に伴う試薬・消耗品等の費用は、原則として利用者負担とします。部門施設別に集計の上請求します。他の機器の使用に伴う料金は原則的に徴収しません。詳細はこちら。

（趣旨）

１．トランスオミクス解析室の利用についてはこの覚え書きの定めるところによる。

（室の運営）

２．トランスオミクス解析室の運営は、トランスオミクス解析室委員会で行う。

（利用の資格）

３．トランスオミクス解析室を利用できるものは、次の各号の一に該当するものとする。

１．基礎生物学研究所、生理学研究所に所属する者

２．各部門、研究施設の教員と共同研究を遂行している研究者

３．教員との共同研究を前提に、機器利用を目的とする研究者

４．基礎生物学研究所　共同利用研究の公募により認められた者

５．トランスオミクス解析室委員長が認めた者

（利用の申請および承認）

４．トランスオミクス解析室を利用しようとする者は、年度毎に「分析機器使用申請書」（ 様式１ ）を提出し、利用の承認を受ける。

（機器の利用）

５．機器の利用は次の各号に基づいて行う。

１．はじめての機器を利用する者は、トランスオミクス解析室職員に連絡しその取り扱い方法等について指示を受け使用する。

２．機器の利用はオンライン予約等の予約優先とする。

３．機器の利用の際は、各々の使用ノートに必要事項を記入する。

４．機器の故障、破損、消耗品の不足等が生じた場合は、使用ノートにその旨を記入し、直ちにトランスオミクス解析室まで申し出る。

５．利用法等の詳細については「利用方法」で定める。

（測定の費用）

６．機器測定に伴う試薬・消耗品等の費用は、原則として利用者負担とする。（依頼測定の経費は、別に定める）

（修理の負担）

７．利用者の過失による機器の故障および破損に伴う修理等の費用は、原則として利用者負担とする。

 (利用時間)

８．利用時間は原則として9：00〜17：15とする。時間外の利用は、利用者の責任において行うものとする。

 (研究報告)

９．利用者が研究成果を発表する時には、当施設を利用した旨を明示し、発表後に 論文のPDFファイル等をトランスオミクス解析室宛に提出する。

トランスオミクス解析室の英名“ NIBB Trans-Omics Facility”

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論文へのリンク：https://www.nature.com/articles/s41467-018-06116-1

• 令和3年度文部科学大臣表彰研究支援賞

森友子技術班長、牧野由美子技術主任、山口勝司技術主任、尾納隆大技術職員が受賞。

「生物学研究への大学共同利用機関コアファシリティの技術貢献」

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00547.html

https://www.mext.go.jp/content/20210414-mxt_sinkou01-000013957_4.pdf

• 手島精一記念賞研究論文賞（国立大学法人東京工業大学）2017年

受賞者：植木紀子、井手隆広、持地翔太、小林勇気、得津隆太郎、大西紀和、山口勝司、重信秀治、田中寛、皆川純、久堀徹、廣野雅文、若林憲一（下線は当室職員）

1982年11月　       分析室は、岡崎国立共同研究機構内の基礎生物学研究所と生理学研究所の共通施設として設置

                  　　され、約45種類の分析機器を備え、生物学・生理学に必要な物理・化学的測定を総合的に行

                  　　える施設として運営開始。

1993年  　 新たな運営方法として、共通施設としての性質は継続した上で、基礎生物学研究所がその管

                  　　理運営に責任を負い、室の活性化を図った。

1994年  　 分析室の改組が行われ、旧基礎生物学研究所・培養育成施設機器室と統合した。旧分析室の

                  　　機器の再配置により生じたスペースを「サポート機器室」とし、旧培養育成施設機器室の機器の

                  　　一部を、両研究所の利用割合等を委員会が決定する「サポート機器」として移設した。旧分析

                  　　室の機器は「共通機器」とした。機器は両研究所の共同利用に供された。また、基礎生物学研

                  　　究所内の共通利用施設として分析室基生研分室が設置。

1998年  　 分析室基生研分室に旧基礎生物学研究所・形質統御実験施設機器室が統合された。分析室基

                  　　生研分室に両旧機器室の機器が配置され、DNA、タンパク質等の解析や遠心分離、画像解析

                  　　に関わる基生研内の共通機器管理の一本化体制が確立。

1999年  　 機器移設の際に、機器の系統的な再配置が行われ、「サポート機器室」の名称を廃止。

2000年  　 基礎生物学研究所・生理学研究所共通施設である洗滌室の運営を分析室に組み入れた。

2001年  　 改組から7年近くが経過し、統合時の混乱を避けるための「サポート機器」の名称を廃止。

2002年  　 分析室基生研分室は、基礎生物学研究所・生理学研究所の共通利用施設として供された。

2004年  　 岡崎国立共同研究機構は法人化により、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構となった。

                  　　山手地区に基生研山手分室が設置され、明大寺地区より一部の機器が移設。

2005年  　 再編成を行い、機器を系統的に再配置。

2007年  　 基礎生物学研究所の耐震改修工事に伴い、分析室基生研分室の機器を分析室へ移設、及び系

                  　　統的に再配置。

2010年  　 基礎生物学研究所内外の共同利用研究を戦略的に推進する組織として「生物機能解析セン

                  　　ター」が発足。旧分析室は生物機能情報分析室と名称を変更。同センターの光学解析室に顕

                  　　微鏡関連機器の管轄を移行。教員が着任し、共同利用研究を強化。

2014年  　 共通施設棟I の改修工事に伴い、室を形質統御実験棟、及び基礎生物学研究所実験棟に仮設置。

2015年  　 改修工事終了後、共通施設棟I に戻り、機器を系統的に再配置。

2021年 令和3年度文部科学大臣表彰研究支援賞

森友子技術班長、牧野由美子技術主任、山口勝司技術主任、尾納隆大技術職員が受賞

2022年 超階層生物学センター発足と共に施設をトランスオミクス解析室と名称変更